一般社団法人日本児童養護実践学会
理事長 橋 利一
理事長 橋 利一
大会テーマ:「社会的養護実践における施設と里親の協働」
社会的養護を取り巻く環境は、近年、子どもの権利擁護の観点から大きく変革されてきました。生活単位の小規模化とパーマネンシーの保障。どちらかというと施設養護に対する否定的な流れのように感じられるかもしれません。しかし、この流れは必ずしも施設養護を否定するものではないと考えています。「新ビジョン」にも記されているように、「高度専門的なケアが必要な場合」は施設養護が必要とされています。これまでの施設養護の専門性の高さが評価されているためでしょう。さらに、里親を中心とした社会的養護の体制において、施設養護の専門性の高さは里親養育をサポートするために重要な社会資源となることでしょう。 今大会では「新ビジョン」作成にもかかわった本学の林浩康先生をお迎えして、里親養育を中心とした社会的養護体制について理解を深めていただくとともに、現場の実践に基づいた研究報告が数多く行われる予定でしたが、中止となってしまったことは残念です。 今後、新たな社会的養護の体制において職員一人一人の専門性向上は必須となっていくことでしょう。本学会および今大会がそうした職員の専門性向上に寄与することを願っています。
大会長 日本女子大学 和田上 貴昭