理事長挨拶

理事長 和田上 貴昭

  社会的養護を取り巻く状況は、この30年間で大きく変化してまいりました。1990年代には児童虐待が社会問題として広く認識されるようになり、子どもの治療的支援や権利擁護、さらには家庭支援の重要性が強調されるようになりました。2000年代には地域小規模児童養護施設の創設や小規模グループケアの推進が図られ、2010年代には児童福祉法の大幅な改正および新たな社会的養育ビジョンの策定を通して、家庭養育優先の原則が明確に打ち出されました。現在は、子どもの権利擁護のさらなる充実に向けて、子どもの意見表明を保障する仕組みの整備が重要な課題となっております。
  本学会は2008年の設立以来、社会的養護のあり方が大きく問われる中で、子どもおよび家庭へのより良い支援の実現を目指し、児童養護の実践に携わる方々が直面する諸課題に取り組んでまいりました。研修・講習会の開催、研究大会における実践報告と検討、さらには海外の実践の紹介と支援など、多様な活動を展開してまいりました。
  しかしながら、児童養護の現場には依然として多くの課題が残されております。本学会といたしましては、これらの課題に引き続き真摯に向き合い、研究と実践の双方から知見を蓄積しつつ、子どもたちの生活の質の向上に寄与してまいる所存です。
  今後とも、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

会長 2026年4月
一般社団法人 日本児童養護実践学会
理事長 和田上 貴昭