「東日本大震災から学ぶBCPセミナー」 開催報告

〜事業継続危機管理ワークショップ〜


2014年1月29日(水)・30日(木)に日本児童養護実践学会主催、
「東日本大震災から学ぶBCPセミナー」が岩手県立大学にて開催されました。

 東日本大震災以降、社会福祉法人における事業継続性担保に向けた取り組みが、あらためて問われています。
想定外の災害など危機的な状況に直面した際に、被害を最小限に抑え、一刻も早く復旧できる組織体質を作るため、
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を作成・運用し、平時から備えておくことが極めて重要です。

 当セミナーでは、実体験に基づいた視点で聞き、BCPを作成する上でのポイントを知り、その時に何ができるのかを
改めて見直す中で、子どもたちを守り、職員を守るためのBCPのフレーム策定を行いました。

 都内の施設の方を中心に17名の方にご参加頂きました。岩手県立大学教授の三上邦彦先生、被災地の大船渡にある
児童養護施設大洋学園の園長刈谷先生、児童家庭支援センター大洋の船野克好先生、児童養護施設里親専門支援相談員の金野祐樹先生、
日本児童養護実践学会理事飯村芳樹氏の5名を講師に迎え、2日目には、現地の児童養護施設の
「青雲荘」を視察し、BCPを作成・運用するための知識を学びました。


2014年1月29日(水)

開講式 挨拶
日本児童養護実践学会会長 橋 利一氏

1.「東日本大震災に学ぶ教訓と課題」 岩手県立大学 三上 邦彦 氏
 東日本大震災の被災児童に対する支援体制や子どもたちに対する取り組み等について、お話しいただきました。
 

2.「初期行動と事前準備」 児童養護施設大洋学園 園長 刈谷 忠 氏
 東日本大震災の発生日の状況や安全確保と対応、施設の児童の食事・生活状況、被災時職員はどう対応すべきか、
また、必要と思われる備蓄品について等、実体験に基づいた貴重なお話をお聞きすることができました。災害時に
備えて、「このくらいしていれば」ではなく、「最悪を想定した対応」について教えていただきました。
 

3.「子どもたちの心理的支援」 児童家庭支援センター大洋 船野 克好 氏
 児童家庭支援センター大洋の心理療法士として被災した子どもたちとその家族の関わり等いくつかの事例を挙げて、
被災後から現在まで子どもたちの心のケアについてお話しいただきました。
 

4.「地域児童支援」 児童養護施設里親支援相談員 金野 祐樹 氏
 震災直後の里親の状況、震災1年後からの支援と課題として、児童家庭センター大洋の心理職との協働、里親同士の
ピアカウンセリングの場の設定、福祉・教育・医療・相談機関など様々な方々と協働したソーシャルワーク等の支援
について事例を用いてお話しいただきました。
 

5.「行動計画の策定」 日本児童養護実践学会 理事 飯村 芳樹 氏
 チェックリストを用いて自分たちの施設の現状を把握した上で、BCPを作成するポイントを知り、その時に何が
できるのかをあらためて見直しました。
 また、災害発生時にBCP未策定・人材育成不足は、法人の信頼性を大きく損ね、それにより重大死亡事故発生時には、
「安全対策を怠った」などとして、労働契約法の安全配慮義務違反で、企業の使用者責任が問われる場合があります。
 ここでは、翌日の講義「BCP策定 ワークショップ」の為に現状を把握する作業やBCPについての理解を深めました。
 

6.「情報交換会」 県内児童養護施設関係者と参加者
   

7.質疑応答(刈谷先生、船野先生、金野先生)
   

2014年1月30日(木)

1.「BCP策定 ワークショップ」 日本児童養護実践学会 理事 飯村 芳樹 氏
 「BCP策定 ワークショップ」の講義では、前日の「行動の策定」の講義の内容を踏まえ、子どもたちを守り、
職員を守るためのBCPのフレーム策定を行いました。
   

2.現地視察(児童養護施設 青雲荘)
 市内を流れる北上川支流の清流中津川のほとりに位置し、市の中心部にも近い閑静な住宅街の中にあります。
創設は、明治39年と岩手県内の福祉施設の中では最も古く、百年を超える歴史を刻んでおります。
   

   




当日の発表内容を冊子としたものをご希望の方は、下記事務局までメールかFAXでお申し込みください。
学会入会の方は無料にて、一般の方は有料にてお送りいたします。


【資料お申し込み先】
日本児童養護実践学会事務局 宛
E-mail :info@yougojissen.jp
FAX :03−5211−2859


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